「第二回21世紀企業セミナー」講話要旨



1999年3月18日(木)佐賀市アバンセにて行われた「第二回21世紀セミナー」〜マルチメディアの未来〜
の講話要旨を公開します。


第二回21世紀企業セミナー会場【アバンセ】

 

「インターネットと放送の融合」
〜インターネットセットトップボックスの将来〜

講師/堀 亮一氏(日本オラクル株式会社NC事業部マネージャー)
 

 今後、革命的な技術・インターネットを基に、熾烈な企業間競争が行われていくと考えられます。電話会社、CATV会社、それに放送局といった、今まで競争することがなかったような会社が競争するといった世界が起こりつつあります。

 CATV会社と電話会社は、アメリカにおいて2002年には1600万世帯に上るだろうと言われている高速インターネットアクセス市場の出現というテーマで、熾烈な競争を行っています。
会社としてはオリジナルは違っても、インターネットアクセス、放送、電話サービスと、ま
ったく同じサービスをやろうとしているのです。

 次に発生しようとしている「放送のデジタル化」によって、テレビ局がこの競争に巻き込まれることになります。デジタル放送は、MPEG2というデータのフォーマットをデジタルの形で配信するため、高画質と高音質、多チャンネル、双方向サービスや、いろんな情報サービスが可能です。

 そのような状況の中、インターネット端末と言われている、セットトップボックスの代表
・NCTVは、高品質な画面が展開できる上、リモコンでインターネットが簡単にアクセスできるという特長を持っています。また、テレビとインターネットの切り替えや、e-mailの送受信が簡単にできます。加えて、いろんな放送形態の中にさまざまなHTMLの信号を入れることができ、テレビを見ている間にいろんなリモコンを使ったインタラクションによる付加価値サービスが利用できます。

 現在、ATVEF (Advanced Television Enhancement Forumの略)という団体によっデータ放送、それもインターネットと融合したデータ放送の形式が世界的に標準化されようとしています。この中には私どもOracleの子会社であるNetwork Computer,Inc.をはじめ、コンピュータの標準だけでなくて放送をする人たち、テレビ局、コンテンツを作っている会社など幅広く、いろんなところが賛同しています。いろんな形式の会社を巻き込んで標準化というようなことが行われていくことになっています。

 私どもはこういったデータ放送、インターネット端末といった形を子会社、独立した会社として、Oracle会長・Larry Ellisonの発案により1996年、Network Computer,Inc.を設立しました。NCIは、さまざまなインターネット端末がインターネット接続をされ、2004-5年にかけて急速に普及していくというふうに考えています。私どもは将来、インターネット端末が、パソコンをリフレッシュするというようなものになるのではないかと思っています。このNCIは今、ブラウザー、マネージメントするサーバ、そしてICカードという3つのセットを開発しています。ICカードは非常に重要で、私どもNCTVのインターネット端末は、サービスプロバイダーを限定しない端末になっていて、オープンにビジネスを進めています。
私どもは、あくまでも技術の提供側という役割に徹し、その点で根本的にwebtvのサービスと異なります。

 私どもは会社の性質上、サーバ技術というものが最大の特徴ですから、Oracleはこういったデータ放送において巨大なサーバを巨大なユーザーデータベースであるとか、何千万人の人がアクセスしてきても耐えられるような、ソフトウェアというものを開発しています。
これがOracleの最大のセールスポイントです。

 NetComさが推進協議会でも、NCTVの技術を基にした実験を決定しているとのこと。
私ども積極的にサポートしますが、やはり地元の地域が活性化するようなインターネット技術の使い方というものが一番重要です。佐賀のコンテンツを佐賀の人たちがうまく利用できるのがNCTVのような端末だと思っていますので、今後の実験、それから本サービスにぜひ、ご期待ください。




「学校教育情報ネットワークが意味するもの」


講師/NTT−X(=NTT−ME情報流通株式会社)部長 岡田 昌治氏

今日は、教育ネットワークプロジェクト、マルチメディアプロジェクトに関するさまざま
な課題、問題点についてお話いたします。

昨年9月に始まった福岡市教育ネットワークのプロジェクトの共同研究にNTTは参加しています。教育センターを中心に小学校、中学校、高校、養護学校、教育委員会を含め、約230地点をインターネットに接続しネットワークを作り、教育に関するデータベースや2台ずつ設置したテレビ会議システムなどで情報交換に利用できる環境の整備を行っています。研究期間は平成12年の3年間。マルチメディア情報、機器の操作法、学校業務、教育にどういうふうに役立てていくかが主な目的です。特色として研究会、1校につき2名のリーダーとなる先生方の研修育成をし、オンラインで結んで、また、実際に出向いてのヘルプデスクを整備することを柱に共同研究をしていることです。

学校が実際アクセスするのは教育センターのインターネットです。有害情報が子どもたちの目に入らぬように、エージェントソフトを使って優良で安心な情報をサーバーに取り込んでいます。学校側から安心して使えると喜んでいただいています。以上が概要です。

教育ネットワークを進める上での問題点は日本の縦割り組織、マルチメディアの普及者の不足、NTTサイドの問題ですが、ユーザー側に立ち、親身になれないという点です。日本の縦割り組織では、それぞれに壁があります。それを乗り越えていかないとマルチメディアの発展はありません。「OVER THE WALL」が今日のキーポイントです。会社、産業分野、世代、時間、空間、人種、国境、文化などの壁もあります。壁を乗り越えるための道具としてもマルチメディアはあるのです。アメリカでは国際市場を視野に入れ、転職・実力主義、分野を超えた提携、規制緩和、そして今まで誰も踏み入れなかった領域に入り込むベンチャービジネスに取り組むことで壁を乗り越えてきました。親子ほど歳の違うものが一緒に会社を起こすなどフレキシブルな世代を越えた動きがアメリカに繁栄をももたらしています。

新しいビジネスというものは、壁の「境界線上」に生まれてくるものだと思います。一方
方向でなく、双方向でインターネットアクセスといった便利な付加価値を提供していくこと
がうまくいくポイントです。しかし壁の上を渡るわけですからリスクテイクは覚悟しなくて
はいけません。日本も覚悟して新しいビジネスを見つけていく時期にきていると思います。

実際にはどうすれば、日本を改革していけるかというと、社会システム、コーポレートカ
ルチャー、官僚主義、大企業病を変えていかなくてはいけない。そのために、個人個人の勇気と柔軟性が必要です。壁を破るための道具として使うマルチメディアは個人の主張、主義、顕在化というものを簡単にします。個人というものが表へ出てきます。逆に責任も大事になってきます。これらは、一歩一歩、プロジェクトbyプロジェクトでやっていくのが一番実行可能な現実的な方法ではないかと思います。


ここで、テレビ会議システムを実際にやってみます。東京、福岡を結びます。多地点接続装置に接続するとそれぞれの画面にお互いが写し出されます。テレビ電話システムは簡単に空間、時間の壁を越えることが出来ます。

〔テレビ電話システムのディスカッション〕

 (東京)ピクチャーテル株式会社 富田社長
日本がアメリカに遅れているというのは大きな誤解です。ネットワークのインフラにしてもかなり進んでいると思います。条件が整っているけど、みんなが知らないというのが問 題。また、コンピータは、人のプライバシィを侵害するなど悪いイメージを持ちすぎてい ると思います。マルチメディアは必要ないからいらないではなくて、離れた場所にいる人 が、目の前にいたらどれだけのことができるかという想像を働かせてください。簡単に済 ませられたらどんな素晴らしいか考えるそこからスタートすると思います。

 (東京)NTT−X 佐藤副社長
道具としてのマルチメディアをどんどん使い込むことが大事です。壊れるまで使ってみるという視点をそこまで持っていくことが大事です。まだまだ、発展途上の道具です。お年寄りでも、子どもでも誰でも使えるようにハードルを低くして、使い勝手をよくしていきたい。価格も手に入れやすくしていきたい。

 (福岡)博多KOMA 藤丸編集長
 佐賀県の山間地区のアドバイザーとして、中山間地域を回っています。そういう地区でもっとマルチメディアを道具として使えば豊かな生活になると思います。まず、使って、その声をメーカー側に伝えてよりよいものを作ってもらうのが大事になると思います。インターネットで世界の情報がとれるのは、すてきなことです。カッコよく生きるためにも今の時代のいい道具を使っていきましょう。

壁を乗り越えるために必要なものは、1番目に情報リテラシーの向上、つまり情報発信能力、受信能力をあげることが必要です。それには英語を扱えるようになること、インターネットを道具として使いこなし情報ネットワークを広げる、そして学校教育にエネルギーをつぎ込み、情報端末を自由に使いこなせる子どもたちを育て世界への視野を広げることが大事です。

2番目にヒューマンネットワークを作ること。教育ネットワークの問題点として、NTT側の親身になったサポート提案ができないというものがありました。それは、自分たちの壁の中にとどまってしまっているからです。単に研究会でなく実質的なディスカッションをし、頭を突きあわせてアイディアを出していくことが重要だと思います。個人個人が、壁をぶち破っていこうとするチャレンジ精神がどれくらいあるかで、会社、ベンチャー、自治体、個人の発展が変わってくると思います。

ネットコムさが推進協議会のチャレンジ魂、動きの速さは日本で一番じゃないかと思います。道具も揃っています。あとは、何をやるかどう使うかです。みんなで頭を寄せ合っていろんな壁を破っていくことが必要です。



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